ジャパンディスタイルの基本:日本の部屋への取り入れ方
「ジャパンディ」という言葉は、Japanese(日本)とScandinavian(北欧)を合わせた造語です。2010年代後半から欧米のインテリア雑誌で使われ始め、日本でも2021年ごろから広まりました。ただ、「木の家具に観葉植物を置けばジャパンディ」という説明が多く、背景にある考え方が伝わっていないと感じることが多い。この記事では、日本のアパートにジャパンディを取り入れるための基本を整理します。
ジャパンディの二つの軸:機能主義と引き算
北欧デザインの根底にあるのは機能主義です。美しいものは使いやすく、使いやすいものは美しい。この考え方は、20世紀初頭のスカンジナビアで工業化と手工芸の間で育ちました。日本の美意識で対応するのは、民藝の「用の美」です。日常の道具が美しくあるべきだという考え方で、柳宗悦が1920年代に整理した概念です。
この二つは「装飾を排して素材と機能を前面に出す」という点で重なります。ジャパンディが成立するのは、この重なりの部分です。
日本のアパートで使いやすい素材の選び方
ジャパンディの素材選びで基本になるのは、木・リネン・コットン・陶器・石です。日本のアパートでは、床材がフローリングであることが多いので、ラグや家具の素材で温度感を調整します。
木は、白木(オーク・アッシュ)か、少し赤みのある胡桃(ウォールナット)が使いやすい。濃い茶色の家具は重くなりがちなので、1Kや1LDKでは白木系を選ぶと部屋が広く感じます。リネンのカーテンは、光を通しながら柔らかく拡散させる効果があり、日本の住宅の窓に合いやすい素材です。
- 床:フローリングにい草ラグまたはウールラグを重ねる
- 壁:白または生成りのまま。アクセントカラーは使わない
- 家具:白木(オーク・アッシュ)を基本に、1〜2点だけ濃い素材を入れる
- テキスタイル:リネン・コットン・ウールの混紡を季節で替える
- 小物:陶器・木・籐。プラスチックは見える場所に置かない
色の組み合わせ:日本のアパートで機能する範囲
ジャパンディの色は、白・生成り・グレージュ・テラコッタ・深緑の範囲で動きます。日本のアパートの壁は白か薄いベージュが多いので、家具と小物の色でトーンを作ることになります。
一つの部屋に使う色は3色以内に抑えると整いやすい。白(壁・天井)+木の色(家具)+アクセント1色(テキスタイルか植物)という構成が、1Kでも2LDKでも応用できます。
ジャパンディは「スタイル」というより「考え方」に近い。素材と色の選び方を整理すると、自分の部屋に何が足りないか、何が多すぎるかが見えてきます。