フィナンシェの焦がしバターをどう扱うか
フィナンシェの風味の大部分は焦がしバターで決まります。バターを焦がす温度と時間が少し変わるだけで、香りが全然違う。毎回同じ状態に仕上げるために、何を見て判断しているかを書いておきます。
焦がしバターの温度管理
バターを鍋で溶かして加熱すると、水分が蒸発してから乳固形分が焦げ始めます。この焦げた部分がフィナンシェの香りの元になります。温度が低すぎると香りが出ない。高すぎると苦みが強くなりすぎる。
Wild Signal Worksでは、バターの色が薄い琥珀色になったところで火を止めます。鍋底に沈んだ固形分の色を見て判断します。温度計は使いません。色と香りで確認します。
焼き時間の調整
フィナンシェは焼き時間を1分単位で調整しています。外側がかりっとして中がしっとりした状態を出すために、オーブンの温度と焼き時間の組み合わせを毎回確認します。
同じオーブンでも、季節によって庫内の温度の上がり方が変わります。夏は予熱が早く、冬は時間がかかる。そのため、焼き始める前に必ず温度計で庫内を確認します。焼き上がりは竹串ではなく、型を軽く揺らしたときの生地の動きで判断します。
売り切れたらその日は終わり
フィナンシェは一度に焼く枚数を決めています。焼きすぎると翌日の食感が変わるので、その日の分だけ焼きます。売り切れたらその日は終わりです。
この方針は開店当初から変えていません。焼きたての状態で食べてもらうことが、フィナンシェに関しては一番大事だと思っています。
焦がしバターの扱いは、毎回少しずつ違います。同じ結果を出すために、毎回同じ確認をすることを続けています。